複雑な仕事をAIエージェントへ委任するとき、作業工程に沿って細かく分けるだけでは、各部分が正しく終わったかを判断できないことがある。 先に完了条件と確認方法を定め、その条件を独立して判定できる単位へ仕事を分ける。 この考え方を契約先行の分解(contract-first decomposition)という。
ここでいう契約は法的な文書ではなく、入力、期待する出力、許される操作、合否を示す証拠を定めた取り決めである。 たとえば不具合修正なら、症状を再現するテスト、原因を説明する仮説、テストを通す変更、既存の動作を壊していないという確認に分けられる。 委任する側は各結果を検証してから統合できるため、誤りを含む中間結果がそのまま後続作業の前提になるのを防ぎやすい。
文章の良さや設計案の妥当性のように、合否を機械的に判定できない仕事もある。 その部分を無理に数値へ置き換えるのではなく、人間の判断が必要な境界として明示することも契約先行の分解に含まれる。
したがって、委任の単位は「どこまで細かくできるか」ではなく、「結果のずれを次の作業へ渡す前に検出できるか」で決める。 これは、ループエンジニアリングに成功条件と停止条件が必要な理由を、個々の委任まで掘り下げたものでもある。
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