ループエンジニアリングは人間がエージェントに指示を出す役割をシステムに置き換える
Addy Osmani が2026年6月に提唱した「ループエンジニアリング(loop engineering)」は、コーディングエージェントに逐一プロンプトを打つ役割そのものを、自分からシステムへ移す考え方である。ループは「目的を一つ定義し、AI がそれを達成するまで反復する」という再帰的なゴールとして捉えられる。目的さえ決めれば、あとはエージェントが自分で作業を見つけ、割り当て、結果を確認し、何が起きたかを記録し、次の一手を決めていく。
「一度きりのエージェント実行」を、繰り返し使える頼れる仕組みに変えるのが、Osmani が挙げる6つの要素だ。スケジュールされた自動実行(automations、これがあって初めて「ループ」になる)、並行作業を衝突させない worktree、プロジェクト固有の知識を書き留めておく skill、既存のツールにエージェントを接続する plugin/connector、一方が出した結果をもう一方が検証する subagent、そして単一の会話の外に生き続けて「何が済み、次に何をすべきか」を保持する外部状態(markdown ファイルや Linear のボードなど)である。
成功条件と停止条件を決めておかなければ、この反復作業は制御できない。ループは、ハーネス(一つのエージェントを動かす制御構造)に、タイミング・補助エージェント・記憶・自己駆動の反復作業を足したものだと言い換えられる。