設計問題を「安全性」「快適性」「経済性」のような既成概念に分解しても、その区分が問題の構造と一致する保証はない。 既成概念は、何をまとめて指すかという外延よりも、ほかの言葉との意味関係によって内延的に作られるからである。 言葉の上では別々の概念でも、一つの設計変更によって条件が同時に変わるなら、設計では一緒に扱う必要がある。
アレグザンダーの『形の合成に関するノート』は、まず「夏に室温が上がりすぎる」「道路の音で眠れない」のような具体的な不適合を挙げる。 次に、一方への対処が他方に影響する不適合同士を結び、内部の結びつきが強く、外部との結びつきが弱い集合を部分問題とする。 これにより、設計問題の区分は、既成概念の意味ではなく、変更が及ぼす影響の範囲から作られる。
ただし、この方法が「正しい分解」を保証するわけではない。 どの不適合を挙げるか、不適合をどの粒度で表すか、二つの不適合が相互作用するかは設計者が判断する。 相互作用を正しく列挙できても、重なり合う部分問題を排他的な階層へ分ければ、現実にある重なりや循環的な依存関係を失う。
それでも、不適合からの分解には、区分の根拠を具体的に検討できる利点がある。 「これは快適性の問題である」という分類の境界は反論しにくいが、「この変更は二つの不適合へ同時に影響する」という関係なら、事例によって確かめたり修正したりできる。 この方法は分解から恣意性をなくすのではなく、言葉の中に隠れていた判断を、不適合の一覧と相互作用の関係として表に出す。
したがって、外延的な分解の価値は無謬性ではなく、設計問題の区分を検査可能にすることにある。
https://allthingsphi.com/blog/2014/01/01/notes-on-the-synthesis-of-form.html
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