ゴミ箱はファイルにもメッセージにも使える。削除対象を「アイテム」として扱えば、復元や永久削除の規則を対象の具体的な種類に依存せず説明できる。同様に予約は、レストランの席にも、列車が占有する線路区間にも適用できる。
汎用化では、何を変えても仕組みが保たれるかを探す。スタイルのコンセプトは要素と書式を対応づけ、書式の変更を要素へ伝える。一方、段落の文字設定や図形の色など、具体的な書式の内容は別のコンセプトが担う。画面上で同じダイアログに現れていても、仕組みとしては分けられる。
ただし、汎用性を狭める機能にも利点はある。本書の「次スタイル」の例では、ある段落の既定スタイルが直前の段落に依存するため、スタイルだけでなく段落の順序を知る必要が生じる。便利さと引き換えに、ほかのコンセプトとの関係 が増えると判断できる。
出典:Daniel Jackson『優れたデザインにとってコンセプトが重要な理由』ノート48「コンセプトの特徴」、pp.237–239。