技術者は設計のための知識を実践から生み出す

原理を知っていることと、具体的な設計を選べることには距離がある。理論だけでは、何をよい性能とするか、どこまで製造できるか、実際の利用でどの制約が効くかは決まらない。

Walter G. Vincenti の『What Engineers Know and How They Know It』は、航空機の開発史から、工学が独自の知識を生み出す活動でもあると論じる。操縦士の評価を測定可能な仕様へ育てることや、製造現場で得た知見を設計へ戻すことも、その知識の形成に含まれる。

同書の「変異と選択」という見方では、設計案の結果を完全に予測できないまま、候補を作って評価する。理論や風洞実験は、実機での試行に先立って候補を絞る手段になる。蓄積した知識は設計の答えを増やすだけでなく、次の候補の作り方や試し方も変える。

ここからソフトウェア開発について考えると、性能測定、試作、障害調査、運用も設計知識を得る機会になる。後からよい設計を選べるようになったことには、最初の設計を実際に使ったことで知識が増えた可能性もある。

https://www.press.jhu.edu/books/title/3022/what-engineers-know-and-how-they-know-it

https://en.wikipedia.org/wiki/What_Engineers_Know_and_How_They_Know_It

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