『形の合成に関するノート』のダイアグラムは、図一般でも完成品の縮小図でもない。 現実の細部を捨て、ある要求や力が物理的な形へ及ぼす作用を伝えるパターンである。 そのため、絵だけでなく、矢印、数式、地図、写真、立体的な型もダイアグラムになりうる。
アレグザンダーは、機能上の性質や制約を表す要求ダイアグラムと、形の特徴を表す形態ダイアグラムを区別する。 本書の設計方法で使う構成的ダイアグラムは両方の性質を持ち、要求を表すと同時に、その要求が示唆する形も表す。 たとえば、交差点へ流入する交通量を矢印の太さで描けば、矢印は交通量という要求を示すとともに、必要な道路幅という形の方向も示す。
構成的ダイアグラムは、該当する要求を満たすために必要な物理的特徴を含むが、要求から決まらない寸法、材料、外観までは確定しない。 したがって、一つの完成形を描くのではなく、同じ関係を実現できる複数の完成形をまとめて表す。
「解決」章の一穴やかんでは、「一つの短く幅広い開口へ、水を入れる、注ぐ、沸騰を知らせるという働きを集め、外れる蓋を不要にする」という関係がこれに当たる。 特定の輪郭を描くことではなく、複数の要求を同時に満たす物理的な焦点を見つけることがダイアグラムの作成である。
このダイアグラムが要求集合から機械的に得られない理由は、アレグザンダーのプログラムはダイアグラムを制約するが導出しないで扱う。
https://monoskop.org/images/f/ff/Alexander_Christopher_Notes_on_the_Synthesis_of_Form.pdf