写真編集アプリで「ピクセル」という名詞を取り出しても、何を設計するかはまだ決まらない。画像全体を明るくするのか、色ごとに調整するのか、複数の画像を重ねるのかによって、必要な仕組みが変わる。振る舞いを特定すると、調整、チャンネル、レイヤーといったコンセプトが見えてくる。
ゴミ箱で意味があるのは、削除した対象を復元したり永久に除去したりできること。スタイルでは、定義を変更すると、そのスタイルを使う要素がまとめて更新されること。データを保存できるだけでは、これらの効用を説明できない。
そのため、データ項目を列挙する前に、利用者が何を行い、どの結果を得られるかを考える。写真のメタデータでも、変更、検索、並べ替え、共有時の除去の可否が設計を左右する。振る舞いを決めることで、保持する必要がある状態 も明らかになる。
出典:Daniel Jackson『優れたデザインにとってコンセプトが重要な理由』ノート48「コンセプトの特徴」、pp.233–234。