PSRは将来の利益率を説明できるときに使える

赤字会社では当期純利益が負になるため、PERで株式価値を評価できない。 一方、創業直後や事業再建中でも売上高は正になることが多い。 このような会社を比較するために、時価総額を売上高で割るPSRが使われる。

PSR = 時価総額 ÷ 売上高

PSRは、利益が会計上の見積もりや一時的な費用に左右される場合にも計算できる。 Kenneth Fisherは1984年の著書『Super Stocks』で、利益より安定した売上高を使う評価方法としてPSRを広めた。

https://www.aaii.com/journal/article/10409-price-sales-ratios-a-new-tool-for-measuring-stock-popularity-

ただし、売上高そのものは株主に分配できない。 同じ売上高100億円でも、将来20億円の利益を残せる会社と2億円しか残せない会社では価値が異なる。

そのため、PSRを比較するには、将来の利益率、成長率、事業リスク、成長に必要な設備投資と運転資本が近い必要がある。 商品の販売総額を売上高にする会社と、販売手数料だけを売上高にする会社も、そのまま比較できない。

さらに、PSRは株主価値である時価総額を、利息控除前の段階にある売上高と比較する点で範囲が揃っていない。 負債水準が異なる会社を比較するときは、企業価値を売上高で割るEV/Salesのほうが資本提供者の範囲を揃えられる。

PSRが低いという事実だけでは割安と判断できない。 PSRは売上高を評価する指標に見えるが、実際にはその売上高が将来どれだけ利益へ変わるかという仮定に依存している。

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