二つの状態が同じ操作では元に戻せず、異なる理由と手続きで変更されるなら、別の概念として扱う手掛かりになる。 一方だけを変更したときに他方まで巻き戻す必要があるモデルは、独立した事実を同じ境界へ閉じ込めている可能性がある。
Order の変更は、顧客との合意を再変更すれば取り消せる場合がある。 一方、配送済みの Fulfillment はデータを未配送へ書き換えても、商品を届けたという現実まで元には戻らない。 返品や回収という別の出来事で補償する必要がある。 この可逆性の違いは、Order と Fulfillment を分ける理由になる。
ただし、業務上の操作が可逆かどうかと、設計判断を後から変更できるかどうかは別の問題である。 前者はドメインに存在する時間と因果を表し、後者はデータ移行や外部利用者への影響を含む変更費用を表す。 概念境界は前者から発見でき、明確な境界は後者の変更費用を局所化する。
したがって、「不可逆な判断だから境界にする」という一方向の規則ではない。 独立して変わる事実を境界で分けると、一方の設計を変更しても他方の意味や履歴を壊さずに済み、設計変更の可逆性が高まる。