Warp が「自己改善」と呼ぶ仕組みは、モデルの重みを学習し直すものではない。個々の仕事を実行する基本スキルと、蓄積された人間の反応を定期的に調べる改善スキルを分け、改善スキルが基本スキルへの小さな変更を提案する。変更を通常のコードレビューで人間が承認すると、次回以降の実行がその知識を参照するようになる。
この構成では、セッション終了とともに消えていた指摘が、版管理された手順書へ移される。たとえば課題の振り分けエージェントがラベルを一つ付け忘れた場合、保守担当者は期待したラベルだけでなく、その課題がなぜ該当するかもコメントする。改善エージェントは複数のコメントから具体的な信号を拾い、同種の課題に一般化できる最小の変更を提案する。
人間の指摘をそのまま採用しない点も、この仕組みの一部である。入力者を領域の専門家に絞り、既知の正解と機械的に比較できる領域では先に評価基盤を作り、最終的なスキル変更を人間がレビューする。改善は「自己」の内部で自律的に起きるのではなく、観測、提案、承認、版管理からなる組織的なフィードバックループとして起きる。
スキルには網羅的な規則集ではなく、判断原則とその理由を書く。詳細な知識や処理は参照資料と既存のスクリプトへ分け、必要なときだけ読む。こうすると、個別の失敗への場当たり的な追記で手順書が肥大化するのを抑えながら、別の状況にも判断を一般化しやすい。
ただし、記事は仕組みと運用上の助言を紹介する事例記事であり、改善率を対照実験で示してはいない。「ループを置けば必ず性能が上がる」という証拠ではなく、フィードバックを失わず、安全に手順へ反映する設計例として読むのがよい。
https://claude.com/blog/how-warp-builds-self-improving-agents-on-claude
https://github.com/warpdotdev/warp-agents-demo-github-issue-triage